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2008年2月24日 (日)

看板による借地権主張

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借地借家法第10条第2項の公示。
私が担当している宅建の授業で「看板立てるんですよ~」と説明していたのですが、実物は初めて見ました。
やはり、看板なんですね…。
結構、頑丈に作られた看板で、簡単に抜けそうもありませんでした(!)。

借地借家法第10条第2項って何さ、という方は引き続き記事をご覧ください。

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1.借地権について
建物を所有する目的で他人の土地を使用するための権利として、地上権と土地賃借権の2つの方法があります。借地借家法では、建物を所有する目的であれば、地上権も土地賃借権もどちらも「借地権」という名前で呼んでいます。

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2.地上権と土地賃借権の違い
いずれも他人の土地を使用することができるという点で共通なのですが、この2つの権利は法律上、違いがあります。結論から言えば、地上権の方が価値が高くなります。この2つの権利の違いをまとめると次のとおりです。

                地上権       土地賃借権

権利譲渡・転貸時の    不要          必要
土地所有者の承諾

土地所有者に対する    あり          なし
登記請求権

抵当権の設定(担保    可能          不可
として使えるか)

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3.借地権の登記をする必要性について
いずれも土地に関する権利ですから、借地人が「オレは借地権あるのだから、ここの土地を使う権利がある」と土地所有者(地主)以外に主張するには、登記が必要です。例えば地主さんが土地を売却した場合、新しい所有者(新しい地主)に対して「この土地を使う権利があるから出ていかんよ」と主張するには、登記が必要なのです。

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4.借地権に関する登記の方法について
借地権は土地に関する権利ですから、土地の登記記録に登録するのが基本です。これは、地上権、土地賃借権いずれも同じです。
しかしながら、地上権であれば土地所有者に対して登記手続きに協力せよと主張する権利があるのですが、土地賃借権であれば、その権利がありません。したがって、土地賃借権の場合、土地所有者が登記手続きの協力を拒めば、登記ができないのです(訴訟を起こしても「あなたには登記手続きの協力を求める権利がない」として却下となります)。

そこで、借地借家法第10条第1項の登場です。土地所有者の協力を得られない借地人を救済するためにこんなルールを設けてくれました。
「借地人自身が所有している建物を登記すれば、土地の権利である借地権も登記したことにしてあげますよ」と。
借りた土地の上に建てた建物は借地人自身の物ですから、この建物の登記は借地人単独ですることができます。

よって、借地権を第三者に主張する方法としては次のいずれかでよい、ということになります。
(1)原則どおり、土地登記記録に「地上権」又は「土地賃借権」の設定登記を行う
(2)借地上の建物について登記を行う(※)

※建物について、所有権保存登記でなくとも、表題登記(建物を建ててから1ヵ月以内に申請しなければならない登記。人間で言えば「出生届」みたいなもの)があれば、借地権を主張することができる。

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5.もし、建物が滅失したら…
前述のように、建物の登記をすることにより、自動的に借地権の登記をしたような効果があります。そこで、もし登記した建物が火災で焼失したり、災害でつぶれたり、はたまた寿命が来たため取り壊したりしたらどうなるのでしょうか?

建物がなくなったからといって、借地権が消えるわけではありません。なぜなら契約期間が30年ならば、30年は使用できる権利があるからです。ただ、登記した建物がなくなったら、「借地権持っているんだぞ!」と主張することができなくなってしまうことになります。

そこで登場するのが、借地借家法第10条第2項です。
「登記した建物が滅失したら、一定の事項(※)を掲示しておけば、建物の登記をしていたのと同じ効果がありますよ(※※)」としているのです。

※一定事項とは、(イ)建物を特定するために必要な事項(建物登記の代わりなので、登記された内容を掲示する)、(ロ)滅失があった日、(ハ)建物を新たに建てる旨、の3点です。
※※滅失日から2年経過した後は、新たに建物を建て、かつその建物について登記をした場合に限られる。

冒頭の写真をもう一度ご覧ください。この看板を立てておくことで、「私はこの土地の借地人。もともと登記した建物があったけれど、○月○日に建物が滅失しました。で、新しく建てる予定だからジャマしないでね。」と語っているのです。

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