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2006年12月27日 (水)

相続基礎講座(その2)

1回目はこちら

第2回目は相続人について説明します。
ただし、ボリュームがあるので2回に分けます。

1-3「(法定)相続人」

相続人として、亡くなった人(被相続人)の財産(相続財産)を承継できる人は、民法により決まってます。

(1)配偶者
必ず(嫌でも!)配偶者は相続人となります。

(2)配偶者以外の相続人
イ.子がいれば、子になります。
「子」については1-7で詳しく説明します。

ロ.子がいない、あるいは子全員が相続を放棄した場合、
直系尊属が相続人となります。

「直系尊属」とは、家計図を書いて、まっすぐ上に遡ってぶち当たる人で、父母や祖父母などのことです。
ただし、父母のうちいずれか一方がいれば、祖父母が相続人となることはありません。

ハ.子・直系尊属がいない、あるいは子・直系尊属全員が相続を放棄した場合、
兄弟姉妹が相続人となります。

(3)具体的に考えよう
もし、自分が被相続人となったなら、誰が相続人になるか、想像してみましょう。

イ.結婚して、配偶者も子もいます
→配偶者と子が相続人です

ロ.結婚して配偶者はいるけれど、子供はいません
→配偶者と直系尊属(直系尊属がいなければ、兄弟姉妹)

ハ.独身です
→直系尊属(直系尊属がいなければ、兄弟姉妹)

ニ.母(父)子家庭です
→子のみ

(問)次の場合、相続人は誰か?
「未婚です。もちろん子供いません。父母・祖父母などはみんな他界しました。で、一人っ子なんです。」

(答)相続人なし
→少子高齢化+晩婚化が進むとこのようなことは十分ありますね。
相続人がいないと最終的には国のものになります。
国のものになるのが嫌なら、遺言残しましょ、ということになります(後述)。

1-3-2「特別縁故者」とは
相続人が存在するのかしないのか分からない場合(行方不明という意味ではありません)、家庭裁判所での手続により、とりあえず相続財産を管理する一方、引き続き相続人が存在するかどうか探していきます。
「存在しない」ということになれば、「相続人ではないけれど、相続人に貢献した人に財産を分け与えましょう」ということになります。

この「相続人ではないけれど相続人に貢献した人」のことを特別縁故者といいます。
具体的には、被相続人と生計を同一にしていた人や被相続人の療養看護に努めた人などです。
しかしながら、特別縁故者に該当するかどうかは家庭裁判所で判断します。判断してもらうためには「私を特別縁故者として、財産を分与してくれ」と請求する必要があります。
黙っているだけでは自動的にはもらえません。

1-3-3国庫への帰属
特別縁故者もいなければ、国のものになります。
ただし、共有物については他の共有者のものとなります。
例えば、A・B・Cの3人の共有土地の場合、Aが死亡した時は、Aの権利はB・Cのものとなり、今後はB・Cの共有となります。

1-4「相続の欠格と推定相続人の廃除」
今まで見てきたとおり、法律上、相続人の範囲が決まっています。
しかしながら、相続人の中で不適切な人がいれば、相続する権利(相続権)を剥奪する必要もあるでしょう。
このような場合に法律が用意してくれた制度が「相続の欠格」と「推定相続人の廃除」です。

1-4-2「相続の欠格」とは
次に該当する場合、当然に相続する権利がありません。

(1)故意に被相続人や他の相続人を死亡させて刑に処せられた者
(2)詐欺や強迫によって、被相続人に遺言させたり、遺言を取り消させたりした者
(3)遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者

要は、被相続人を死亡させたり、他の相続人を死亡させて、より多く財産を得ようとした者や、遺言の内容が自分にとって有利となるように不適切なことをした者を、相続人から外そう、ということです。

1-4-3「推定相続人の廃除」とは
推定相続人とは、相続人予定者と思ってください。
また、「排除」ではなく「廃除」です。でも意味的には「排除」に近いかもしれません。

もし、自分を虐待したり、重大な侮辱を受したヤツに自分の財産を承継させたくないですよね?
そこで、虐待したり、重大な侮辱をしたヤツ(配偶者、子、直系尊属が対象です)を相続人から外すことを廃除といいます。

この手続は家庭裁判所で行います。一度した廃除を取り消すこともできます。また、遺言により行うこともできます。

1-5「代襲相続」
代襲は「だいしゅう」と読みます。「襲」だなんてタダごとではない恐ろしさが漂いますが、歌舞伎などの「襲名披露」と同じで「先代の地位を引き継ぎます」という意味です。

つまり、本来、相続人となる人がいたのだけれども、訳があって、相続できない時に、その子が代わりに相続人となる制度です。

1-5-2「被相続人死亡前に相続人が死亡したとき」
代襲相続ができる場合のその1です。
例えばつぎのような場合です。

(設例)
Xには配偶者Aと子B・Cがいました。
Bは既に結婚して配偶者Dと子Eがいました。
ところがBが死亡し、その後、Xが死亡しました。

(説明)
Bが生きていれば、Xの相続人でした。
しかし、XよりもBの方が先に死亡しています。
この場合、Bの相続人としての地位をその子であるEが引き継ぎます。
この設例の場合、相続人はA・C・Eとなります。

ちなみにXから見ると、Eは孫に当たりますね。

1-5-2-2「甥(おい)や姪(めい)が相続人になるとき」
次の(1)と(2)の条件が重なれば、甥や姪が相続人となることがあります。

(1)子、直系尊属がいない(又は全員が相続放棄)
(2)本来相続人となる兄弟姉妹が被相続人よりも先に死亡し、兄弟姉妹の子(これが甥や姪)が代襲相続するとき

1-5-3「相続欠格や廃除された場合」
代襲相続ができる場合のその2です。
相続欠格や廃除によって、相続人としての地位を失った場合、その地位はその欠格あるいは廃除となった者の子が相続人となります。

なお、相続放棄した場合にはその子は代襲相続できません。

このあたりの話は図を入れたいところなのですが、テクニックのない私では時間がかかりますので、後日出来上がり次第、図を入れておこうと思ってます。

2回目はここまで。
3回目へ。

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